文部科学省補助事業 ポストコロナ時代の医療人材養成拠点形成事業

筑波大学・東京医科歯科大学

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令和5年度 第5回総合診療塾(テーマ:アルコール)を開催しました!

先日、第5回総合診療塾を開催しました。

第5回総合診療塾のテーマは、「アルコール」

前半は筑波大学医学部3年生の地域ヘルスプロモーションの実習の一環として、3年生6人(チーム名「泥酔ボンバーズ」)から、本人達の実例を交えながら、学生の過剰飲酒に関する啓蒙を兼ねた授業が展開されました。後半は実際に飲酒量低減外来を担当する斎藤剛先生より、外来での実際の様子や、依存症などの慢性の害について紹介していただきました。また、アルコール健康障害対策基本法制定に専門家の立場から尽力し、全国初の飲酒量低減外来を開設するなど、アルコール依存症問題に取り組んできた第一人者である吉本尚准教授も質疑応答などで登場して下さいました。

受講された学生さんから感想を頂いております。

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飲酒者にとっても、医療者にとっても、飲酒について定性的ではなく定量的な視点を持つことは、きちんとした医学的な観点から考える上で大変有用であると思いました。

アルコール依存症の患者が医療介入を受けることを促進する、すなわち治療ギャップを小さくするためには、AUDIT(the Alcohol Use Disorder Identification Test)をより普及する必要があると考えました。

それに加えて、講義内でご指摘があったように、日本では精神科に対するスティグマ、依存症に対する偏見が未だに残存してしまっていることから、患者からというよりは医療側からのアプローチが重要であると思われます。その1つの良い例が「アルコール低減外来だ」と思いました。

また、アルコール依存症患者の人物像が世間一般に流布しているものとは多分に異なるということも新鮮な学びでした。自分の中にも気付かない偏見があるのだと知りました。医療者として適切な介入をする上でも、あくまでも支持的態度で、本人の関心が芽生えるまで待つことが大切であることが分かりました。

今回の総合診療塾では同学年の友人からお話を聞くことができたことで、より身近な問題として、そして実生活に結びつけてアルコールとの付き合い方について学ぶことができた。アルコールへの依存度は薬物より高いというのが特に衝撃的であった。また、医療者の方がアルコール依存者への偏見が大きいというのも非常に印象的であった。減酒支援に限ったことではないが、他者への支援を行う際は、先入観を持たずに支援対象者に寄り添うことが大切である。今後プライマリケア医を志すものとして、アルコール依存者と関わる機会が多いかもしれない、ということも意識しつつアルコールとの付き合い方について考えていきたいものである。

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第6回 総合診療塾は、

日 時 : 11 月 8 日(水)18:00~19:30

テーマ : EBM

講 師 : 筑波大学附属病院 総合診療科 片岡 義裕医師

詳細、申し込みはこちらをご覧ください https://tsukuba-soshin6.peatix.com