文部科学省補助事業 ポストコロナ時代の医療人材養成拠点形成事業

筑波大学・東京医科歯科大学

文部科学省補助事業 ポストコロナ時代の医療人材養成拠点形成事業

筑波大学・東京医科歯科大学

サイトビジットレポート⑧(新潟大学)

7 月 4 日(木)筑波大学医学医療系 堀内 明由美先生が新潟大学に視察に行かれました。

1.視察目的

ポストコロナGPの取り組みとして、本学の総合診療の教育においてノンテクニカルスキル教育のためのプログラムを実施している。今回、前任地の慈恵会医科大学医学部にて高学年の医学生に対してアサーションの教育の実践を行っていた岡崎先生が、赴任先の新潟大学にて低学年の医学生にこのプログラムを新たに導入することになり、本学の教育の参考になると考え、視察を行った。

2.視察施設名

新潟大学旭町キャンパス(新潟市中央区旭町通1番町757番地)

3.視察内容

事前に別途新潟大学の医学教育について話をうかがい、地域医療教育の取り組みがあまり進んでいない実態と、岡崎先生が赴任されてから地域の数々の診療所を訪ねてまわった経緯および、今回新たにノンテクニカルスキルのトレーニングを導入した経緯をうががった。岡崎先生は、アサーティブコミュニケーションのプログラムインストラクターとしての研修を受けており、更に前任地での教育経験を踏まえ、新潟大学のカリキュラムの中で、限られた時間を活用して、今回のプログラム導入にいたった。アサーションの基本のレクチャーの後に、様々なケースについての討論・全体共有を行った。低学年の学生にとっての身近なケース(部費を払わない先輩への交渉、部活練習のために実習を欠席するように先輩から言われたときの対応など)を設定しており、それが功を奏して学生は熱心に討論に参加し、全体共有も一体感がある中で進行できていた。

4.感想

運営には全面的な医学教育センタースタッフ4名の支援を得て行われ、教室も140人の学生には大分狭い場所に思われたが、スタッフ間の連携と緻密に組まれたプログラムと講師のコメント力もあり、ねらいに合致した有意義なプログラムとして初回導入を終えた点は参考になった。教育環境・リソースが万全でなくとも、ねらいにむけて工夫をして行うことをあきらめずやることの意義、そのためにコースについての確かな理解を備えていることは重要であると思われた。