文部科学省補助事業 ポストコロナ時代の医療人材養成拠点形成事業

筑波大学・東京化学大学

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令和5年度 第9回総合診療塾(テーマ:健康の社会的決定要因)を開催しました!

2月26日(月)に第9回総合診療塾を開催しました。

今回のテーマは「健康の社会的決定要因」

当日はミニワーク、レクチャー、演習を織り交ぜながら健康の社会的決定要因とは何かを学びつつ、健康の背景にあるものをあらためて想像すること、無意識の自分の価値観や見方に気づこうとすることの大切さを考える回になりました。

「健康の社会的決定要因」という言葉自体は医学生の皆さんにとってはなじみがないかもしれませんが、その人らしい健康をサポートするために、そして自分が暮らす・働く地域のために私たち医療者ができることを考えるのはとても大事なことです。

以下、参加された学生さんの感想をご紹介します。

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・患者が抱える問題に対するアプローチは医学的な側面からではなく、医学の知識だけでは解決できないので、患者の生活や背景に興味を持つ、医学以外に福祉についても学習する、必要時に他職種と連携が取れるよう多職種への理解を深めるなど、医師には高い想像力や学習する姿勢、多職種連携のための高いコミュニケーション力が求められると思いました。私自身もこれらを身につけるため、惜しまず努力したいです。

・健康を形作るものには、自らの意志や努力で成しえること以上に、そうではない環境などの外的要因が多く存在することを実感した。人々の健康のために、特に社会全体として取り組むべき課題であると感じたのは、幼少期の貧困である。貧困による不十分な食事が原因で身体的発達が遅れることだけではなく、家庭や地域のコミュニティに参加できないことによる孤独感といった精神発達への影響や、衛生環境が不十分であること、場合によっては虐待を受けているといったことも考えられる。さらに幼少期の貧困に関して重視すべきことは、「貧困は連鎖する」ということである。先日社会医学の講義で学んだ子ども食堂の取り組みは、こうした事象を解決へと導く手段の一つとなると考えられる。その際に重要なのは、ただ医師として医療のみに携わるのではなく、行政なども含めて社会全体に包括的にアプローチする姿勢である。医療者として疾患のみを診るのではなく、その人自身、周りの人々、地域や社会全体を診るという意識を今後も続けていきたい。

・病院実習を行う中で、外来診療は何度か経験させていただくことができたが、私はまだ「全人的な」アプローチが出来ておらず、診療の方を身につけることに精一杯になってしまっているので、徐々にそういったスキルも身につけたいと思った。