文部科学省補助事業 ポストコロナ時代の医療人材養成拠点形成事業

筑波大学・東京化学大学

文部科学省補助事業 ポストコロナ時代の医療人材養成拠点形成事業

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令和5年度 地域緩和医療学修プログラム・コース (5年次)レポート

緩和支持治療科では、2023年度より筑波大学医学類5年次を対象とした選択CCとして、2週間の緩和ケア実習のプログラムを開始しました。

緩和ケアチーム、緩和ケア病棟、在宅緩和ケアと、様々なセッティングでの緩和ケアを体験します。全人的苦痛や疼痛マネジメント、コミュニケーションについて体系的に学び、実践しながら学びを深める内容となっています。

<実習目標>

Ⅰ. 全人的苦痛の評価ができる。

Ⅱ. 痛みを持つ患者を適切にアセスメントすることができる。

Ⅲ. 生命を脅かす疾患を有する患者とのコミュニケーションスキルを身に着ける。

Ⅳ. 倫理的問題の視点を学ぶ。

Ⅴ. 上記を学んだ上で、緩和ケア病棟で実践する

<スケジュール>

<実習の風景>

緩和ケアチーム回診(筑波大学附属病院 緩和ケアチーム)
コミュニケーションワークショップ(筑波大学附属病院 緩和ケアチーム)

多職種カンファレンス(筑波メディカルセンター病院 緩和ケア病棟)

看護実習 手浴・足浴の介助(筑波メディカルセンター病院 緩和ケア病棟)

<実習の感想(抜粋)>

・緩和ケアの先生方は患者さんに全力で向き合って治療をしていた。看護師やリハビリのスタッフの仕事も、特に緩和ケア実習では身体を動かせない患者が多く、簡単なものではなく体力や気力が必要であると学んだ。

・看護やリハビリ実習を通して、それぞれの方が日々の業務で何を大切にされているのか、多職種目線の緩和病棟を経験することができた。

・在宅実習では患者さんに触れることの大切さ、また外来では見えづらい患者さんの背景について学ぶことができた。それぞれの方が誰に囲まれて、どこに住んでいるのか見ることができた。

・患者さんのお看取りは最初辛いものであったが、死は全員に訪れる自然なものだと知ってからは穏やかな気持ちでお見送りすることが出来た。

・患者と話すときは考えながらコミュニケーションすることが重要であると学んだ。相手の発言の意図を考えたり、理由を聞いたり深堀りしていくことで思わぬ本音が出てきたり患者を深く知ることにつながる。

・死の間際にいる患者は恐怖に怯える人もいれば、孤独を感じたり、未練を述べたり、一方で落ち着いて過ごしている人もいた。患者さん一人一人に人生観や価値観、人間性、譲れないものがあり、それらに触れられたのは貴重な機会だった。