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令和8年度 包括医療統合教育 講義レポート(東京科学大学)

東京科学大学では医学科5年生の学生を対象に、包括医療統合教育という講義を年8回実施しています。

この講義ではさまざまな立場で活躍する先輩医師や専門職の方の講義を聞き、自身の将来の進路選択に視野を広げ、課題や障壁についても考察することを目的としています。

今回は新年度に入り、2026年5月に行われた初回の講義について報告します。
今回の講義はキャリア形成の考え方 総論として、医師の様々なキャリアや研修先を選ぶ際の考え方について2名の先生にお願いしました。

講義後に、以下のテーマで提出されたレポートの一部を抜粋して紹介します。

学生レポート

【今後の自身のキャリアを考える上で一番心配なことは何か】

  • 自分のやりたいことや目指したい将来像がまだ曖昧で、志望科を絞り込めていません。多様な選択肢がある中で自己理解が不十分なまま進路を選び、後から必要な力が不足していることに気づくのではないかと不安を感じています。
  • 結婚や出産、育児といったライフイベントと、医師としてのキャリアをうまく両立できるかどうかが一番の心配事です。興味のある診療科はどれも勤務がハードそうで、自分の思い描くライフワークバランスと一致するか悩んでいます。
  • 将来、地域の現場に従事することを見据え、その中でのキャリア形成や人生設計をどう具体化していくか模索しています。地域のニーズに応えながら、自身の理想とする専門性の確立をいかに両立していくか、より多くの情報やロールモデルを求めています。
  • 将来の医療制度の変容や、特定の都市部における医師過剰予測など、社会構造の変化が自分のキャリアにどう影響するか懸念しています。また、医局という環境の中で良好な人間関係を築き、ステップアップしていけるかも気になります。

【初期研修であなたの考える目標は何か】

  • 将来どの診療科に進んだとしても通用するよう、基本的な臨床手技の習得と、救急や当直の現場で臆せずファーストタッチができる初期対応能力を身につけたいです。3年目以降に1人でも自信を持って判断・行動できる土台作りを目標としています。
  • 専門医になってからでは関わる機会が少ない診療科も含め、満遍なく幅広い疾患に触れたいです。偏りのないジェネラリスト的な視点を養い、専門外の一般的な疾患(common disease)や緊急性の高い病態を見逃さない総合的な臨床能力を磨きます。
  • 実際の臨床現場に主体的に関わる中で、患者さんや多職種と円滑に連携できる高いコミュニケーション力を身につけたいです。チーム医療の一員としてふさわしい姿勢を学び、現場全体の最適な医療に貢献できるようになりたいと考えています。
  • 単に目の前の業務をこなすだけでなく、日々の現場から未充足の医療需要(Unmet Medical Needs)を見出せるような視野を持ちたいです。臨床の基礎を叩き込みつつ自己分析を継続し、次の専門研修へ根拠を持って進むためのキャリアパスを確立します。

初期研修の目標について、医学生たちから様々な声が寄せられました。

診療において身につけるべき基本的で重要な内容について、学生が多面的な視点から深く考える有意義な機会となりました。